タオルの選び方と用語の説明
業務用タオルのはてなを解決。
こんにちは、あきないタオルのタオルソムリエ・ゆきこです。
皆さんは、お仕事で使うタオル、どうやって選んでますか?
「めちゃくちゃこだわって選んでますよ!」
「今のタオルに不満は無いし、なんとなくずっと同じものを使ってます」
「もうちょっといいのが欲しいと思ってるんだけど、何を基準に選べばいいのか・・」
きっといろんな方がいらっしゃいますよね。タオルってそんなアイテムだと思います。 でも多くの方が「なんとなく・・・」で使っているのではないでしょうか?
ひと言に業務用タオルと言っても、その用途はさまざまですし、実際、タオルにもいろいろな種類があります。
ここでは、今使っているタオルに不満をお持ちの方はもちろん、
こだわりを持って使っている方もぜひご覧いただき、タオル選びの参考にしていただければと思います。
1. 用途に応じた厚み(重さ)を選びましょう。
安いタオルは薄くて、高いタオルは厚い。これは大抵の場合、正解と言えます。
でも、安いからって悪いタオルなのでしょうか?いえいえ、そんなことはありません。
用途次第では、高いタオルより安いタオルのほうがお客様に喜ばれることだってあります。
例えば、温泉に持って入るタオル。
厚すぎると、体を洗いづらい・絞りにくい・乾きにくいというデメリットがあります。
あの薄いタオルだからこそ、洗いやすく・絞りやすく・乾きやすいのです。
逆に、ホテルのタオルはどうでしょう。シャワーを浴びた後、しっかりと厚みのあるタオルに包まれると、
なんとも言えない優雅な気持ちになりますよね。ペラペラのタオルでは味わえない気分です。
このように、高い・安いではなく、用途に応じた厚み(重さ)のタオルこそがいいタオルであり、 そのタオルを選ぶことがお客様の満足に繋がるのだと思います。
ところで、タオルの重さの単位をご存知ですか?
タオルの重さは昔ながらの「匁(もんめ)」で表します。なかなか馴染みが無いですよね。。
■匁(もんめ)とは?
日本の尺貫法での重さの単位で、1匁=3.75g(=五円玉)と定められています。
タオルの場合、サイズが同じでも重量が違うと厚みにずいぶん違いが出てきますので、
縦×横のサイズ以外に、重量も商品選びの大切なポイントになります。
じゃあ、粗品でよくもらうような一般的な”200匁のタオル”の重さは、200(匁)×3.75(g)=750g・・・ではないのです!
通常タオルは1ダース(12枚)単位で取引されるため、
各商品ページに表示されている匁は12枚単位での重量になります。
したがって、200匁のフェイスタオルの重さは、200×3.75÷12=62.5g が正解です。
ちなみに、当店の人気商品である100×200cmの超大判バスタオルの重さは2000匁なので、
1枚あたりは 2000×3.75÷12=625g ということになりますね。公式としては以下のとおりです。
公式:商品ページに表示されている匁数 × 3.75 ÷ 12 = 1枚あたりのグラム数
計算だけでは分かりづらいので、業種・用途別によく使われる匁数の一覧表を作ってみました。フェイスタオル・バスタオルそれぞれでぜひ参考になさってください。
お手持ちのタオルをキッチンスケールなどで量っていただき、比べてみてくださいね(使い古したタオルの場合は、痩せて軽くなっている場合があります)。
2. 総パイル?それとも平地付きタイプ?
■総パイルとは?
すべてパイルでできたタオルです。オールパイルとも言います。
業務用タオルの定番は、やっぱりベーシックな無地の総パイル。
名入れプリントがご不要であれば、業務用でも家庭用でも総パイルがお薦めです。
■平地付きタオルとは?
タオルに名入れプリントをお考えですか?
それであれば、平地付きのフェイスタオルがおすすめです。
平地とは、タオルの両端にあるパイルのないガーゼ調の部分(下記写真の左側部分)のことです。
ループ状のパイルがないのでプリントに適しており、ご挨拶用に会社名等を入れる時によく使われます。
もちろん、プリントしない場合でも粗品用タオルとしてよく利用されます。
※ちなみに・・・
上記写真にも入ってますが、タオルやおしぼりの端近くにある、装飾用の織り柄部分のことを
「界切(かいきり)またはボーダー」と言います。
縄編みや斜め織りなどさまざまな柄を表現でき、タオルのデザインポイントになります。
3. ふわふわロングパイルもいいけど、業務用ならショートパイル。
パイルの長さが短いものをショートパイル、長いものをロングパイルと言います。
■ロングパイルのいいところ・わるいところ
ロングパイルはふんわりとしたボリュームがあり、その包まれるような肌触りが特長。
その反面、パイルを誤って引っ掛けてしまったり、毛羽落ちしやすいという面もあります。
■ショートパイルのいいところ・わるいところ
ショートパイルはパイルが抜けにくく、洗濯回数を重ねても風合いが変わりにくいので、
業務用として求められる耐久性に優れています。
パイルが短いことで、洗濯後の乾きが早いというメリットもあります。
その一方、ロングパイルに比べて肌触りは硬めになります。
お客様に肌触りのよさを感じていただくのが何よりも優先の場合はロングパイルを、
それ以外の場合は、業務用としてバランスの取れたショートパイルがお薦めです。
4. 耳とヘムの仕様でも強度が変わってきます。
一般的に、タオルの長いほうの辺を耳、短いほうの辺をヘムと言います。
洗濯を重ねるたび、どうしてもほつれてくるのが耳やヘムの部分・・・。
業務用タオルの中には、ヘムに二重縫製や三角縫製、耳にかざりミシン掛けを施したものがあります。
このヘムと耳の処理にひと手間加えることで、強度をアップさせているのです。
5. 色落ちのしにくさで選ぶなら、スレン染めです。
一般的なカラータオルは「反応染料」が使われていますが、多くの業務用タオルにはスレン染料が使われています。
当店では商品名の中に「スレン染め」という言葉を入れて分かりやすくしています。
スレン染めは塩素系の漂白剤などに強く、色落ちしにくいため、
洗濯回数が多く、ハードな使い方をする業務用タオルに最適な染め方です。
※カラータオルの場合、スレン染めでも使い始めは余剰に付着した染料が溶け出します。
他のものに色移りしないよう落ち着くまでは単独でお洗濯をお願いします。
スレン染めタオルの一覧ページはこちら >>
6. 最も丈夫で業務用に最適な織り方は、レピア織りです。
レピア織機で織られたタオルの商品名には「レピア織り」という言葉が入っています。
パイルが短く、高密度で織り上げるため、表面がさらりとなめらか。
パイルを引っ掛けにくいことで、糸がひゅるひゅると出てきにくいという特長があります。
パイルの目が揃っているので、見た目にも美しい仕上がりです。
タオルの織り方としては最も丈夫なので、洗濯回数の多い業務用に最も適していますよ。
レピア織りタオルの一覧ページはこちら >>
7. オリジナルプリントタオルを製作するなら、シャーリング加工で。
シャーリング加工とは、パイルの上部1/2~1/3をカットして、
ベロア調に仕上げる加工のことを言います。
毛先をカットしている分、若干吸水性は劣りますし、毛羽が出やすいというデメリットはありますが、
それを補うだけのなめらかな肌触りのよさが自慢です。
高級感のあるベロア調なので、バスタオルならひざ掛けやブランケット代わりにも使えます。
また、プリントにも適しており、写真やグラデーションのかかった細かい柄を表現することもできます。
イベント用やチーム単位のスポーツタオルをオリジナルで作る場合などにお薦めですよ。
以上、ご参考になりましたでしょうか?ぜひタオル選びにお役立てくださいね。
当店では、3名のタオルソムリエをはじめ、タオルに精通したスタッフがタオル選びのお手伝いをさせていただきます。 「これからお店を始めるんだけど、どんなタオルを選べばいいのか分からない」 「今使っているタオルの不満を解消したいんだけど、どれを選べばいい?」・・・そんなお悩みもよくいただきます。 まずはお気軽にお問い合わせください。